ご挨拶 | 第22回日本IVF学会学術集会 | JR博多シティ | 福岡県福岡市

ご挨拶

第22回 日本IVF学会学術集会長 蔵本 武志

 日本IVF学会は、ARTの有効性と安全性の向上を目的に、国内外の最新の知見を共有し、活発な議論のもと生殖医療従事者の研鑽に20年来努めてまいりました。そして今回平成から令和に元号が変わる記念すべき年に第22回日本IVF学会学術集会を福岡で開催する運びとなり、大会長を務めさせていただくことをたいへん光栄に存じます。
 わが国のART治療周期数は年々増加の一途をたどり約45万件に達し、ARTによる出生児数も累計で50万人を超え、今や年間約18人に1人がARTによって生まれています。治療件数ならびに技術水準においても我が国は、世界をリードする立場にあると言っても過言ではありません。しかしその一方で、少子高齢化、晩婚化・晩産化の傾向は否めず、その結果難治症例が増えており、技術の進歩に反してARTの妊娠率が低下しているのが現状です。
 生殖医療の治療の対象が単に患者だけではなく、その子孫や家族にまで及ぶものであることを考えるときに、我々医療従事者は改めて責任の重さを痛感するとともに、常に現状に満足することなく、より安全で質の高い治療を追求しなければならないと常々感じております。そこで今回の本学術集会のテーマは『Seek for quality ART ~上質なARTの探求~』と題して、ART全般を網羅し、臨床・研究の両面からより満足のいくARTについて考えたいと思います。
 内容は、1日目に培養液に関するシンポジウム、精子・卵子の膜融合を始めとする受精メカニズムやiPS細胞等を用いた生殖細胞作出についての講演を予定しています。2日目は、日本及び世界のARTの情勢、日本が今後進むべき方向性や課題について、がんと生殖医療について、着床不全にについての講演や、働く女性に優しい治療について3施設からの発表によるシンポジウムを予定しております。またオーストラリア生殖医学会からの交換講演として Michael Chapman先生にPoloscopeを用いたICSIについてお話し頂きます。
 10月5日(土)の懇親会では会場近くのホテル日航福岡におきまして、博多屋台風に九州一円の名物料理と美味しいお酒を取り揃えての歌姫による素晴らしいコンサートをお楽しみください。限られた時間ではございますが、どうぞ博多の夜も満喫してください。
 会場のあるJR博多シティはJR博多駅直結で鉄道の便もよく、さらに福岡空港から地下鉄で約5分と全国各地からのアクセスも非常に恵まれております。一人でも多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。
2019年4月吉日

第22回 日本IVF学会
学術集会長 蔵本 武志